Processing

Please wait...

Settings

Settings

Goto Application

1. WO2021005698 - DETACHABLE MULTI-RING TRACTION DEVICE

Document

明 細 書

発明の名称 デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス

技術分野

[0001]
 本開示は、医療用のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 近年、消化管内部の粘膜に生じた早期癌は、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)によって、少ない侵襲で、効率的に切除できる。ESDを行う施術者は、例えば、内視鏡、把持具及び高周波ナイフを用いて、以下の手順で手術を行う。
[0003]
 まず、施術者は粘膜における病変部の位置を正確に特定し、その病変部を囲む周囲粘膜の全周を切開する。次に、施術者は、全周を切開された粘膜をクリップで挟み、このクリップに連結されたトラクションデバイスを引っ張って粘膜を持ち上げながら、粘膜下層の切開及び剥離を行う。
[0004]
 ESDでは、限定された内視鏡の視野下で処置を行わなければならない。そのため、粘膜下層の切開と粘膜の剥離を行うときに、切除中の粘膜が内視鏡の視野または処置野を覆うことがある。そのような状態になると、処置の妨げとなったり、穿孔の危険性が増したり、処置時間の長時間化を招いたりすることがある。
[0005]
 例えば特許文献1は、こうした問題を解決するための技術を開示している。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2008-62004号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1の技術では、十分に効率的に粘膜の切除を行えるとは言えず、更なる改良の余地がある。
 本開示の目的は、ESDにおいて、効率的な粘膜の切開及び剥離を実現するトラクションデバイスを提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 ここに記載する概要は、以下の詳細な説明においてさらに説明される内容を単純化した形で紹介するために提供されるものである。この概要は、請求項に記載された内容の主要な特徴または本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、請求項に記載された内容の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。
[0009]
 本開示の一態様に係るデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスは、内視鏡の鉗子チャネルを通じて体内に挿入されるデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスであって、体外での操作により体内の病変粘膜が切除される際に、前記病変粘膜を牽引するために、前記病変粘膜と前記病変粘膜に対向する正常粘膜とにクリップで固定されるように構成されるデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスであって、大円及び小円を有する複数のトーラス状のリングであって、隣り合う2つの前記リング同士が互いに外縁部分を接した状態で前記大円の直径方向に連なるように互いに連結された、リングを備える。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] (A)は一実施形態に係るデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの正面図、(B)は図1(A)の平面図、(C)は図1(A)の右側面図。
[図2] 図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを構成する1つのリングの正面図。
[図3] 図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの第1の使用方法を示す模式図。
[図4] 図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの第2の使用方法を示す模式図。
[図5] (A)~(C)は、図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを把持鉗子で体内に導入する方法を説明する写真図。
[図6] (A)~(D)は、図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを止血クリップで体内に導入する方法を説明する写真図。
[図7] (A)~(C)は、図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを用いて、病変粘膜を切除するときの様子を示す写真図。
[図8] (A)~(C)は、図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを用いて、病変粘膜を切除するときの様子を示す写真図。
[図9] (A)~(C)は、図1(A)のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを用いて、病変粘膜を切除するときの様子を示す写真図。

発明を実施するための形態

[0011]
 次に、実施形態に係るデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスについて、図面を参照しつつ説明する。本開示の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。
[0012]
 <デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの構成>
 図1(A)~図1(C)には、本実施形態のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス1(以下、単に「デバイス1」という)を示した。図1(A)は正面図を示し、図1(B)は平面図を示し、図1(C)は右側面図を示す。なお、背面図は正面図と同様に表れ、底面図は平面図と同様に表れ、左側面図は右側面図と同様に表れる。
[0013]
 デバイス1は、周知の内視鏡(図示せず)の鉗子チャネルを通じて体内に挿入されるように構成されるとともに、体外での操作により体内の病変粘膜が切除される際に、病変粘膜を牽引するために、病変粘膜と、この病変粘膜に対向する正常粘膜とに、クリップで固定されるように構成される。
[0014]
 デバイス1は、大円及び小円を有する複数(例えば、3~5つ)のトーラス状のリング2を備える。これらリング2は、隣り合う2つのリング2同士が互いに外縁部分を接した状態で、大円の直径方向に連なるように、互いに連結されている。
[0015]
 これらリング2は、必ずしも円形でなくてもよく、例えば少し歪んだ円であったり、楕円形状であったりしてもよい。
 デバイス1が3つのリング2を備える実施例では、一方の端にあるリング2を第1リング2といい、他方の端にあるリング2を第3リング2といい、真ん中にあるリング2を第2リング2という。
[0016]
 複数のリング2は、同一素材で形成するとよい。これらリング2の素材は、合成樹脂であることが好ましく、合成樹脂にはゴムを含まない。合成樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
[0017]
 デバイス1、すなわち一列に連なる複数のリング2は、合成樹脂、例えばポリエチレンを金型内に射出成形することによって、一体に成形することができる。あるいは、デバイス1は、リング2の小円の直径を備えた糸状の物質を、大円の直径となるようにトーラス状のリングとしつつ、所定の個数のリングが連なるように超音波溶着することにより、形成することができる。
[0018]
 その他、リング2の小円の直径を備えた糸状の物質により、大円の直径となるようにトーラス状のリングを複数形成した後、これら複数のリングを大円の直径方向に沿って一列に並べて、隣り合うリング同士を超音波で溶着してもよい。
[0019]
 デバイス1は、ゴムのように弾性によって積極的に病変粘膜を引っ張るよりも、粘膜同士の引っ張り強度によって病変粘膜を牽引することが好ましい。このため、デバイス1は、弾性を有するゴムではなく、プラスチック(合成樹脂)で形成される。このプラスチックは、弾性的ではなく、かつ止血クリップまたは把持鉗子と共に内視鏡の鉗子チャンネルに挿入できる程度に変形でき、リング2の大円が重なり合うように折りたたむ方向に変形できるとよい。
[0020]
 図2には、デバイス1を構成するリング2の1つを拡大して示した。但し、図2では、小円(リング2の太さ)を目立たせるように、縮尺を変更している。
 1つのリング2の大円の直径Aは、例えば5mm~10mmであり、好ましくは6mm~8mmである。1つのリング2の小円の直径Bは、例えば0.1mm~0.5mmであり、好ましくは0.2mm~0.4mmである。
[0021]
 一連のリング2は、鉗子チャネルの内部を通過できる程度に折り畳み変形可能であるとともに、大円の直径方向に伸び変形可能である。但し、リング2は、ゴムのように弾性を備えている必要はない。
[0022]
 <デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの使用方法1>
 図3には、デバイス1を使用する方法1を示した。図中の下方には、消化管(例えば、胃または大腸など)の側断面図を示した。消化管は、内腔側(図中上側)から順に並ぶ表粘膜層S、筋層M及び内漿膜層Iを有する。本例の病変10は表粘膜層Sに留まっている。
[0023]
 施術者は、ナイフ5、例えば高周波ナイフを使用して、切除すべき病変10を含む病変粘膜を囲むように、表粘膜層Sに切れ目を入れる。この切れ目は、典型的には、適切な大きさの略円形または楕円形であり、通常は、病変10よりも適当な幅だけ広く設定される。
[0024]
 その後、施術者は、病変10を含む病変粘膜、すなわち切れ目の内側にデバイス1の第1リング2をクリップ3で固定する。このとき、施術者は、鉗子4を使用して、第2リング2または第3リング2を適当な力で引っ張っておくとよい。施術者は、デバイス1を介して病変粘膜を引っ張りながら、ナイフ5で病変粘膜を切り離す。
[0025]
 <デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの使用方法2>
 図4には、デバイス1を使用する方法2を示した。なお、図3と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
[0026]
 この使用方法2では、施術者は、ナイフ5を使用して、病変10を含む病変粘膜の表粘膜層Sに適当な大きさの切れ目を入れ、その後、切除すべき病変粘膜にデバイス1の第1リング2をクリップ3で固定する。次に、施術者は、デバイス1の第3リング2を、病変粘膜に対向する正常粘膜S’(切除しない粘膜)にクリップ3’で固定する。
[0027]
 次いで、施術者は、臓器の内部(本例では胃内)に適当な圧力で空気を導入し、所定の圧力Pをかける。すると、クリップ3,3’が互いに引き離されてデバイス1が引っ張られ、さらに、デバイス1によって病変10が引っ張られる。施術者は、この状態で、病変粘膜の下層側を高周波ナイフ5で切断し、病変粘膜を剥離する。
[0028]
 空気圧でデバイス1を引っ張ることに加えて、あるいはこれに代えて、施術者は、クリップ3,3’に固定されたデバイス1を引っ張りながら、病変粘膜の下層側を高周波ナイフ5で切断してもよい。
[0029]
 施術者は、病変10を含む病変粘膜を切り離した後に、デバイス1の第1リング2を切断する。デバイス1は、例えば、施術者が鉗子で強く引っ張ることによって切断してもよいし、あるいは、高周波ナイフ5を使用して切断してもよい。その後、施術者は、病変10を含む病変粘膜を回収し、病理検査などを行う。
[0030]
 上記の施術において正常粘膜に残されたクリップ3’は、しばらく後に自然に脱落して、体外に排出される。
 <デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスを体内に導入する方法>
 次に、デバイス1を内視鏡の鉗子チャネルを通じて体内に挿入するときの様子について説明する。
[0031]
 1.把持鉗子を用いる方法
 図5(A)~図5(C)には、デバイス1を把持鉗子に装着する手順を示した。施術者は、予めデバイス1をリング2の接続箇所で折り畳むことにより、一つのリング2の大きさになった3つのリング2をまとめて把持鉗子で摘む(図5(A)参照)。施術者は、この把持鉗子を鉗子チャネルを通して、デバイス1を移動させる(図5(B)及び図5(C)参照)。施術者は、デバイス1を折りたたむことなく、1つのリング2(例えば第1リング2)のみを把持鉗子で掴んで、鉗子チャネルを通じてデバイス1を体内に導入することもできる。
[0032]
 2.止血クリップを用いる方法
 図6(A)~図6(D)には、止血クリップの先端にデバイス1を鋏んで、体内に導入する様子を示した。施術者は、シースの先端から出した止血クリップの基端にデバイス1の第1リング2を引っ掛けておき(図6(A)参照)、その後、止血クリップをシース内に引き込む。これにより、デバイス1は、シース内に挿入される(図6(B)、図6(C)及び図6(D)参照)。施術者は、このシースを鉗子チャネルに挿入することにより、デバイス1を患者の体内に導入することができる。
[0033]
 <実際のESDにおけるデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスの使用方法>
 次に、図7(A)~図9(C)を参照しつつ、デバイス1を用いたESDの手順について説明する。この使用方法は、図4に示した方法である。
[0034]
 まず、施術者は、病巣を含む周辺の粘膜(病変粘膜)を略楕円形状に高周波ナイフによって切る(図7(A)参照)。次に、施術者は、デバイス1の第1リング2をクリップ3に引っ掛け、クリップ3を病変粘膜10に固定する(図7(B)参照)。次いで、施術者は、デバイス1の第3リング2を、病変粘膜10に対向する正常な粘膜にクリップ3’で固定する。このとき、デバイス1は、適当な張力でクリップ3,3’間を繋いでいる(図7(C)及び図8(A)参照)。
[0035]
 次に、施術者は、消化管内に適当な内圧をかけて、消化管を膨らませる。すると、デバイス1が病変粘膜10を引っ張る(図8(B)参照)。この状態で、施術者は、露出した病変粘膜10の下層部分を高周波ナイフで切除する(図8(C)参照)。病変粘膜10の下層全体を切除することによって、病変粘膜10が消化管から切り離される(図9(A)参照)。その後、施術者は、正常な粘膜にクリップ3’を介して固定された第3リング2を高周波ナイフで切断する(図9(B)参照)。これにより、デバイス1及び病変粘膜10が消化管から切り離される(図9(C)参照)。なお、消化管内に残されたクリップ3’は、適当な日数後に自然に排出される。
[0036]
 本実施形態によれば、ESDにおいて、粘膜下層の切開を行うときに、切除中の粘膜が内視鏡の視野及び処置野を覆うことがない。そのため、広い処置野を確保しながら、円滑かつ効率的に病変粘膜の切除を行うことが可能になる。
[0037]
 なお、本実施形態のデバイス1は、3つのリング2を備えるが、リング2の数は変更することができる。例えば、デバイス1は、4つまたは5つのリング2を備えてもよい。例えば、胃のESDを行う場合には、3~5つのリング2を有するデバイス1が使いやすい。
[0038]
 大腸の病変粘膜10を切除する場合、1つまたは2つ程度のリング2でも十分な長さを確保できる場合がある。このように、デバイス1が病変粘膜に比べて長い場合には、全てのリング長を使用することなく、適当な位置のリングをクリップに固定することもできる。例えば、第1リング2をクリップ3を介して病変粘膜10に固定し、第2リング2をクリップ3’を介して正常粘膜に固定してもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 内視鏡の鉗子チャネルを通じて体内に挿入されるデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスであって、体外での操作により体内の病変粘膜が切除される際に、前記病変粘膜を牽引するために、前記病変粘膜と前記病変粘膜に対向する正常粘膜とにクリップで固定されるように構成されるデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイスであって、
 大円及び小円を有する複数のトーラス状のリングであって、隣り合う2つの前記リング同士が互いに外縁部分を接した状態で前記大円の直径方向に連なるように互いに連結された、リングを備える、
 デタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス。
[請求項2]
 前記複数のリングは、同一素材で形成されており、前記素材は合成樹脂であり、前記合成樹脂にゴムを含まない、
 ことを特徴とする請求項1に記載のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス。
[請求項3]
 前記合成樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニルから選択される少なくとも一種である請求項2に記載のデタッチャブル・マルチリング・トラクション・デバイス。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]